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2023年1月28日土曜日

Die Zimmermänner

 


かつて日本の先人のネオアコリスナーはよいメロディを求めてネオアコというジャンル内での捜索にとどまらず、色んなジャンルに音探しの冒険に旅立ったものです。ニューウェーブ、パワーポップ、オールディーズ、ネオスカ、ロカビリー、パンクetc。そんな中、チェリーレッドから83年にリリースされた"Anja"というシングルを先人は見つけたと思うんです。そのドイツ語で歌われる、でもラウンジっぽい麗しい音に魅了されて、「こいつは誰だ?」的な感じでこの"Anja"をリリースしたバンド、Die Zimmermännerを詳細に捜索するべく、Ata TakとかZick Zackなどのレーベルにその捜査の手を広げていったんだと推測しています。  

推測ですがその先人たちはそこでネオアコ界隈では全く無名だったAta TakやZick Zackなどのレーベルを含む、『ノイエ・ドイチェ・ヴェレ(以下NDW)』という鉱脈を見つけ出してウッヒョー!と歓喜したのではなかろうかと思うわけです。NDWって何?という人はウィキペディアで調べて下さい。

さて、そんなNDWを代表するバンドにPalais Schaumburgというバンドがいました。アバンギャルドで実験的なエレクトロな音で正直聴きやすくはない音を鳴らすバンドでしたが、このバンドにはホルガー・ヒラーやトーマス・フェルマンなどといった後の音楽史に重要な役割を果たすレジェンドがいましたが、同時にこのバンドにはティモ・ブランクという人も在籍していました。このティモ氏がPalais Schaumburg脱退後(たぶん)に新たに組んだバンドがDie Zimmermännerってわけです。(間違っていたら訂正宜しくです。リリース年代的に脱退前にDie Zimmermännerの活動も並行して行っていたかも。)

シングルになった"Erwin, das tanzende Messer"。あ、基本的にDie Zimmermännerはドイツ語で歌っています。だからこそのNDWなわけですが。ドイツ語はさっぱりわからないので、なんとなく訳してみたら「アーウィン、ダンシング・ナイフ」とのこと。まああれです。考えるな、体で感じろ!というヤツです。

彼らの音楽的素養のバックボーンにロックとかギターポップとかがないからなのか、とっても奇妙な音作りと曲作り。あとパーツとしてのドイツ語の響きがとっても不思議な音象を醸しだす気がします。この動画の画像は1stアルバムの"1001 Wege Sex Zu Machen Ohne Daran Spaß Zu Haben"のものでリリース当時はアナログオンリーだったけど、91年にCD化され、その後は再発されたんかな? とにかく個人的には名盤なのでLPもCDも頑張って買った思い出があります。


その1stアルバムをリリースする前の80年に"Ede+Die Zimmermänner(a.k.a.Skafighter)"としてリリースされた7インチ。スカが好きなんだね。女声ボーカルをフィーチャーしたこの曲はギターポップ界隈でもちょっとした話題になっていたような気が…。この7インチには"So Froh"という同系統のスカな曲も入っています。


そして一番気に入っているのがこの"Heute Geh Ich Los Und Klaue Mir Ein Flugzeug"。これも翻訳してみたら"Today I Go And Steal Me A Plane"…うーん、なんてタイトルだ。…考えるな体で感じろ!ってことだね。このね、高揚していくような感じが好きなんよ。

バンドはアルバム2枚出して解散、というか休止になって、23年ぶりの2007年に結成当時のメンバーのDetlef Diederichsen(ディトレフ・ディーダーリッシェンて読むのかな?)と再結成して、以降数枚のアルバムを出しており、今でも現役バリバリです。

耳慣れていないドイツ語の響きとギターポップの常識からは外れた構成の、でも全部をまとめたら不思議なポップワールドのDie Zimmermännerの世界に浸ってみてはいかがでしょうか?

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