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2022年12月13日火曜日

Pacific


Pacific。インディーダンス全盛期ど真ん中な時代にひっそりとクリエイションに在籍していたバンド。まあ、中心人物のデニス氏のインタビュー記事とかはネット上にもあるんで詳しくはそちらを翻訳して頂ければと。ちなみに前身のバンドはThe Doris Day。


初めてその名前を聞いたのはロキノン誌のレビュー。なんかこの↑ヨーロピアンなムードのジャケに惹かれて西新宿のどこかのレコード屋さんでCDをゲット。いわゆるジャケ買いってやつだね。今は買う前に大なり小なりサンプル音源として予め音を聴くことができるけど、昔はそんなことまったく出来なくて数少ないレビュー(あるだけマシな方)か、カンペキにジャケ写と最低限の条件(発売年とかレーベル名とか)だけでバカスカ買っていた。オソロシイ時代だったね、今から思えば。


彼らの代表曲の"Shrift"。あんまり聞かないストリングスとエレクトロニクスの融合。荘厳かつ大げさなストリングスアレンジと打ち込みのリズム、そこに男女のツインボーカルが乗るという基本構成。いい曲なんですよ確かに。でも個人的な感想を言えばストリングスと打ち込みがうまく融合していない気がするのと、もっとデニス氏のボーカルがねっとりじっとりストリングスの音に張り付く、伸びのある歌い方だったら良かったのになと思いました。


ちなみにメンバー構成はよくわかりません。3人組の写真と5人組の写真があるのですが詳細は不明です、というか調べてないです。


そして"Barnoon Hill"という曲ではなぜかオープニングで女性が日本語でポエムのような朗読が導入されるというビックリ仕様。別に日本に特別な思い入れもなかろうに、日本を意識する必要もないだろうに、突然流れてきた日本語に当時は非常に驚いた覚えがあります。っしかも、スシゲイシャフジヤマ!みたいな知能指数ゼロな日本語ではなく、ちゃんとした日本語の文だったんでなんだかよくわかんねえがこいつらマジだな、と。


唯一のCDでもある"Inference"。正直昔はあんまり興味がなかったんですが、今聴いて見るとなかなかPacificと言うバンドの世界観がハッキリと描かれていてすごいアルバムだなと感心しております。水の音のサンプリングやラッパを使ってみたり、女声の弾き語りの曲があったり、曲によって程よく打ち込みとストリングスを配置していて、風景を見ているような感覚を味わえます。

Pacificはおそらく90年代の頭には解散して、2000年に入ってからデニス氏がPacific時代の代表曲の"Shrift"をユニット名にしたチルアウト/エレクトロニカな男女ユニットを開始。2008年頃までは存続していた模様。その後はちょっと消息が途絶えている模様です。

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