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2020年2月28日金曜日

The Servants



 The Servantsは僕の中では思い出深いバンドの一つです。ネオアコに夢中になり始めた頃にまず知ったバンド(これは偶然でしたが)であり、音的にも自分の好みにドストライクであり今でも中心人物のDavid Westlakeは僕にとってのヒーローでもあります。そして、そこからの劇的なまでの評価下落(自分内でね)もすさまじいものがありました。


写真の真ん中の、ロンブーの亮くんみたいな顔したのがDavid Westlake,The Servantsの主人公。この写真のメンバー構成とは違うんだけど、初期はPhilip KingとJohn Mohan、この二人はApple Boutiqueのメンバーでもあるんですがこの2人ともう1人を加えた編成でデビュー。86年のデビューシングルの"She's Always Hiding"はマサカなスローテンポな曲。いえね、インディーズのバンドのデビューシングルっていうのはある意味自己紹介と言うかつかみ、みたいな意味合いもあるので基本アップテンポでキャッチーな曲を持ってくるもんだと勝手に思いこんでいたので当時びっくりした覚えがあります。


B面の"Transparent"も同系統の曲だったもんで、両面ともスローなテンポの曲が収録されたわけです。ですが、曲作りがうまいのか不思議と退屈することもなくじっくりと聴きいってしまうような魅力のある曲でした。


同86年に2ndシングルである"The Sun,A Small Star"をリリース。タイトル曲は適度なスピード感のある曲に仕上がっているんですが、特筆すべきは曲が醸し出す凛とした空気感というか世界観。David Westlakeのボーカルがまあ、良くってね。マジメな人はきっとこんな声出すんだろって思えるくらいな素晴らしい声です。他の曲もストリングスをフィーチャーしてThe Servantsの、ひいてはDavid Westlakeの世界を堪能できる一枚になっています。ジャケ写もいいしね。ある意味理想的な一枚。


さて、バンドメンバーは人の出入りが何回かあり、途中Hugh Whitaker(ex The Housemartins)が加入したりして、後期の代表的なメンバーのLuke Haines(ex The Auteurs)とその女が加入してきます。89年リリースの3rdシングルの"It's My Turn"では、2ndほどの輝きは感じなかったけど、それでもタイトル曲や"Faithful To 3 Lovers"といった曲は僕は結構気に入っていました。だけど正直なんか嫌な予感がしたものです。

そして90年に1stアルバムの"Disinterest"をリリース。これなんだよね…。それまでの豊かな音楽性をどういうわけだかバッサリと切り捨ててなんだか弱々しい音で別にメロディアスでもなく、ベース弾いてるんだか弾いて無いのかわからないくらいの音量で、最初しけたフォークアルバムかと思ってしまった。わくわくどきどきの「わ」の字もなかった。誰か教えて下さいよ、これって何らかの意図があるの? 1st,2ndの路線を止めてまで演奏する意味は何だったのか? さすがにここまでわけのわからない曲になるとさすがのボーカルも色あせて聴こえてきてねえ…。そうはいってもあの"The Sun,A Small Star"をやってた彼らのことだから何がしかの意味はあるのだろうと結構長い間考えていたんだけど、やっぱりわかんない笑 残念ながらこの乾いた音になじむことは最後までできなかったよ。


The Servants解散後、初期シングルやBBC sessionなんかを収録した"Reserved"と題されたCDが2006年にCherry Redから、なんでも幻の2ndアルバムと何かの音源から成る"Small Time / Hey Hey We're The Manqués"という2枚組CDが2012年に、そして主旨はわからないけど初期シングルの音源を中心とした"Youth Club Disco"というLPが2011年にCaptured Tracksからそれぞれリリースされています。まあ僕的にはあの輝かしい初期シングル群をCDに収録してくれた"Reserved"さえ持っていればThe ServantsはOKな気がします。その幻の2ndアルバムなんかもyoutubeに上がってたんで聴いてみましたが、やっぱり1stの延長線上な音でね…。

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