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2014年11月18日火曜日

V.A/A Prospect Of The Sea


カセットの世界は奥深い。80年代~90年代、CDが普及し始めるまでは安価でお手軽なフォーマットだったのはみなさんご存知かと思います。基本、お金のないインディーズのバンドのみなさんは自分たちの音源をデモカセットという形で録音して、それをプロモーションに使ってたり、たぶんレーベルというか地元のクラブとかのオーナーとかそういう顔役みたいな人たちがコンピレーションのカセットを作ってみたり、ファンジン、つまり同人誌ですね、に付録としてコンピカセットをつけたりと今では考えられないけれどもカセットサイコー!なDIYここに極まるみたいな時代があったのは確かです。『レコード・カセット』というセットが『CD・レコード』というセットに変化していったのに伴い徐々に廃れていったんですが、2014年の今、メインである録音のメディアのCDrが10年ほどたつと中身が劣化して聴けなくなるというバカヤロウな仕様なので、何気に今でも録音媒体としてはmp3の次の位置にくるというシロモノなんですね~。

さて、このネオアコ/ギターポップ関連のカセット状況ですが、先に述べたように実に裾野が広い。広すぎる。コンピカセットとかって権利関係はどうだったんだろ、たぶんレーベルに契約前とかそういうバンドが多かったんであるようでない状態だったんだろうね。たぶん世界で誰一人として全体像を把握できている人間はいないだろう。僕はTweenetを教科書に勉強してたんだけど、結果から言えばTweenetはあそこにある情報は全体の一部でしかないということ。奥が深いですね。レコードと比較してみるとカセットにはデモカセットというものがあるので、全体の量としてはカセットフォーマットの方がレコードよりも多いかもしれませんね、ただ市場に出なかったり、関係者が非売品として保管してたりとかで目にはつかないでしょうけど。あとレコード化する前の音源とかレコード化することができなかった音源とかが多いはずなんで量はレコードよりも多いでしょうけど、クオリティはレコードよりも下だったり…。夢が広がります。

さて、今回はそんなカセットコンピの"A Prospect Of The Sea"。もう10年くらい前に買ったものなので紙が変色してますが、元は白抜きの紙のスリーブだったんです。曲目はDiscogsにあります。

全34曲、巨大なボリュウムです。なんていうんだろ…C級からD級のバンドのオンパレードです。いったいどうやってこのメンツを集めたんだろうと思わせますが、ひとつひとつのバンドにコメントしてたらキリがないんでいくつかピックアップすると、当時のコンピカセット常連組だったWhitetownやLibrarian、The PristinesとかThe Loveliesあたりはこの時にはすでに単独のリリースもあったはず。ビミョーにシーンが違くね、なShelley's Childrenとかこのメンツの中では大物なHeavenlyなんかもいます。They Go Boom!!はメランコリーが止まらないぜな名曲"Sunny September"で参戦。Saturn Vがコンピに参加とかあんまりないのでは? The Sweetest Ache,Boyracer,The Balloon Farm,Cradleyard,The Big Paintings,The Crystal Garden,Dreamscape,The Suncharmsなんかは知ってる人はかろうじて知ってる人もいるんじゃないでしょうか?


で、みっけもんだったなと思ったのがこのThe Throwaways。どインディーなヘタクソなバンドで音は全然似てないけどPamplemousseを初めて聴いた時のような気持ちになりました。ヘタだけど何か心に残るようなインディーバンドって意味です。いくら検索かけても何の情報も出てこない、というかこのコンピカセットのレーベル名らしき"A Cloud Production"すら何も情報が残ってない有様ですからね。このThe Throwaways、こないだ別のカセットコンピでもう1曲参加してるのを見つけました。そっちもmp3化次第紹介したいと思います。こっちのカセットはDiscogsにも45CatにもPopsikeにも載ってないでやんの。笑

ブックレットというか曲目を見てたらこのカセットはCloud Productionの2番目のカセットコンピだそうな。つまり、少なくてももう1個このレーベルのコンピカセットはあるっちゅうことですね。

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