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2014年1月30日木曜日

The Wallflowers(UK)

The Wallflowersの2年振りのアルバム。ご存知"Thank You","Blushing Girl Nervous Smile","83.7 degrees"の3枚の12"シングルによって伝説(?)と化した80年代ネオアコバンドの雄なのであります。前作の"Love, Peace and Pugwash"から今までの間にいくつかわかったことがありまして、まずフロントマンのピーターさんがついにウェブ上に出現したということ。降臨といってもよいでしょう。それまでは妹(姪?)かギターの人がスポークスマンみたいなカンジだったので。あと、そのピーターさんのキャリアがわかったこと。これは70年代末からバンド活動を開始し、7"を数枚リリース、そしてマニアには有名なThe Telephone Boxesを作り、The Smithsのツアーのサポートをやってりしてました。当時の音源を聴くと84年頃なのにすでにThe Wallflowersのサウンドを体現しててまじでびっくりしました。また当時の貴重な映像なども見れます。そしてThe Wallflowersを結成して、サイドプロジェクト的に(ギターとして参加)The Companyというバンドにも参加、The Companyとしては1枚のLP、2枚の12"があります。なお、このバンドはカントリー+ギターポップな音でイイ人にはイイ、悪い人には悪い、といった聴く人を選ぶバンドです。まあネオアコリスナーは全員がカントリーが好きなわけじゃないからね。

さて、このPfolkというアルバム、コレは造語で彼らのウェブサイトによれば「ちょっとフォーキー、ちょっとファンキー、でも全体的にはLo-FiなThe Wallflowersサウンド」といった意味のサウンドのことです。あと作ってる最中はPrinceの"Lovesexy"しか聴いてなかった、とも。ま、僕的にはどうでもいいです。そしてこのPfolkはPfolkとしてのアルバム6曲と、"Spongefinger v Wallflowers"というアルバムからの10曲のダブルCDアルバムになっております。つまりだ、全16曲が一気に聴けるというわけですよ!あのThe Wallflowersの曲が!しかも全曲未発表!僕がツイッター上で騒ぐのも無理はないわけなのです。

そもそもPfolkに収録されている"She Will Be Reflected"と"Tomorrow Is Already Here"を初めて聴いたのはもう10年以上前になるのだろうか? 当時、ある外人さんからもらったデモカセットの中にこの2曲が入っていました。これが最高な曲だったんでその外人さんに、これは誰だ?あの"Thank You"のThe Wallflowersなのか?とずいぶん聞いたものですがその外人さんはわからないというばかり。録音状態は良くなかったのでたぶんラフなデモだかなんだかを録ったものというのはわかりましたが、当時はThe Wallflowersの詳細も知られていなかった世界なので、なら自分で調べるしかない、と悲壮な決意をしたのが始まりでした。

見事に何もわからなかったんですが、ドイッチュに90年代頭にThe Wallflowersという同名異バンドがいたらしいという話を聞きつけあーでもないこーでもないの末にドイッチュのThe Wallflowersの7"をゲット、しかし上の2曲は収録されてらず、非常に落胆。しかしながらこのドイッチュのThe WallflowersはHeaven Sent Recordsというレーベルに所属しており、このレーベルには良質のバンドがざくざく所属していて、そっち方面を突き詰めて行くという寄り道をするハメに。結果、The Wide PlainsやSonic Flower Groove,7 Robertsなんかを見つけることができたのは幸運でした。

そんなことをやってる内にやはりこの2曲はUKのThe Wallflowersのものだという話をバンドメンバーから教えてもらい、いつの日かリリースするから待ってなさいと諭されはや数年。シングル集、2nd未発表曲集を経てようやくこのPfolkにてめでたくリリースが決まったというわけなのです。

さて、前置きは長くなりましたが、音の方ですがまあこのように僕は長い間待ち望んでいたシロモノなので悪く聴こえるハズがありません。笑 今までのアルバム同様ギターの音が美しいひっじょうにハイクオリティなネオアコ/ギターポップになっています。Pfolkという風にフォークとは言っていますがそんな匂いは微塵も感じなくただただ"Thank You"の世界観のアルバムになっております。 前述の2曲はリマスタリングされたクリアーなバージョンなわけですが個人的には生きてて良かった的なおいしさの曲になっておりました。全体として和み系なほのぼのとしたムードにあふれていて怒ってる人もこれ聴けば穏やかになれるぜ、という空気です。何曲かは彼らのMyspaceでも聴けますね。

"Spongefinger v Wallflowers"の10曲の方ですがこっちは若干ギターがサイケちっくというか90年代のインディーダンス系のバンドがよく鳴らしていた幻想的なギターの音がメインです。 メンバーが超お気に入りだという"Butterfingers"という曲も収録されていて、ナルホド、ギターの音が超きれいなギターポップになっています、これはイイねえ! アルバムを通して聴いててやや一本調子な曲が並んでいますがそれも気にならないくらいなクオリティの曲になっています。

と、まあファン丸出しなレビューになってしまいましたが、それを差し引いても80年代組みの底力を垣間見れるアルバムになっていると思います。まだ1月なんですが現時点では間違いなく2014年のナンバー1なネオアコ/ギターポップアルバムだと確信しています。

あ、そうそう書き忘れてたんですがメンバーにクレジットされているトレイシー嬢、サイトによれば彼女はFoamというバンドをその後結成したうんぬんとありますが、Foamは公式には何もリリースしてないのとネオアコファンにとってはこの人はNine Steps To Uglyのボーカルやってた人、という方がピンとくると思います。

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