世の中にコンピレーションは数あれど、ギターポップファンの間では確実にベスト3に入るであろう名盤。それがIdea Recordsが88年に出した"The Idea Compendium"。ずーーーーっとここ日本ではThe Suede Crocodilesの7"に並ぶんじゃね?ってくらいに高価だったんですよ。そのThe Suede Crocodilesも今では7"の再発、未発表曲集のLPの発売、そしてそのCDも発売、という段階を経て今ではレアではなくなりました。この"The Idea Compendium"、何がすごかったかって、泣く子も黙るPlaying At Trains,Graham Fellows,The Wallflowersの代表曲が収録されてるのとThe Moss PolesやThe Wolfhoundsなんかまで収録されてることです。でもよく考えたらこのIdea Recordsは誰が始めたレーベルなのかよく知らないんですよね。
The Wallflowersは3枚の12"をリリースしたバンド。この"Thank You"はなぜかXTCのAndy Partridgeがプロデュースした曲。ほのぼのとしたギターポップで3枚の12”は今でもヤフオクやeBAYなんかで売られているのを見ることが出来ます。"Thank You"はむかーし日本のレコード屋からリプロ盤が出回ってたことがあるほど日本のファンの間では垂涎のレコードだったわけです。このコンピには3枚の12"の内、"Thank You"と"83.7°"の2枚の12"のタイトルトラックが収録されています。あと1枚の12"の"Blushing Girl Nervous Smile"もモチロン名曲です。ちなみに去年、いや一昨年だったかな、これらの12"の曲をまとめたCDがバンドの手によってリリースされました。今でも販売してるのかな? バンド自体は今でも継続していて今年の6月に今年唯一のライブをやるそうです。そしておそらくもうすぐ未発表曲を収録したCDが発売されます。さらに数年先になるでしょうが、もう1枚未発表曲を収録したCDがリリースされる予定です。ちなみにメインメンバーは80年代にThe Companyというカントリーテイストなバンドにも参加していて12"をおそらく2枚、LPを1枚、コンピLPにも参加していますが、カントリー的な音が好きな人にはなかなかアピールできる音になっています。とにかく2012年もThe Wallflowersからは目が離せません。言うまでもなくボブ・ディランの息子がやってるThe Wallflowersとは全く別物です。ていうかこっちが先なんで向こうはマネしてると僕は昔から思ってます。
Playing At Trainsもネオアコ好きな人ならばいずれはたどり着くバンド。カセットをたぶん3コ、7"を1枚、12"を1枚、そしてこのコンピに2曲参加し、その後、The Cygnet Ringに発展したバンド。The Cygnet Ringに関しては語りだすとキリがないのでなった別の機会にするとして、Playin At Trainsに関しては7"の"Walk On Water"はまず見ることができない幻なシングルと考えてよいでしょう。僕もまだ持ってなかったりします。仮に売りだされたとしても5万円くらいの出費は覚悟しなければって位、どこにもねーよって位のシロモノです。カセットは数年前に"Go!"というカセットがネット上に流出しててカルトなファンはそこからダウンロードしてようやく聴けたぜ、って人が世界中にいっぱいいたはず。1回だけeBAYで売っているのも見たことがあります。その他のカセットに関しては未だにナゾなシロモノで、1曲だけyoutubeにアップロードされています。目下のところ、これをなんとかして聴きたいなっていうのが目標です。このバンド、とにかくメンバーが変った人たちで情報を一切身内以外には出さないタイプの人たちらしく、今でも詳細はわからないんですよねえ…。なんでも数年前に12"を再発する計画がかなりの所まで進んでたらしいんですが寸前でメンバーの気まぐれでオジャンになったとかならなかったとか…。The Cygnet Ring解散後はメインのメンバーは一応音楽活動は続けているらしく、ドラムンベースみたいな曲を発表してたりとかしてます。
Playing At Trainsとしてはそこはかとなくオリエンタルなメロディを持ちこんでることとボーカルの声量が素晴らしくときにソウルフルにさえ聴こえるが特徴で、その辺は12"で遺憾なく発揮されてるかと。その12"にも収録されてるこの"Playin At Trains"はバンド名にもなってるんできっと彼らのイチオシな曲なのでしょう。ポイントはこのバージョンは12"とは別でこのコンピLPでしか聴けません。知らなかった人、コンピLPか12"かどっちかを持ってる人、聴き比べてみてください。そして「あ、やべ!」って気がついた人はさっそくレコードハントにGo!
Graham Fellowsのこの"Denise From Doncaster"はたぶん日本のギターポップ/ネオアコファンみんなが好きな曲だと思うんです。うそじゃないんです。彼は色んな名前を使ってて、あんまり詳しく調べてはいないんですけど、つまりJohn Shuttleworthの変名での活動ってことみたいですね。まあJilted John,Brian Appletonなんかの名前を使いつつ、70年代から現在まで息のながーい活動です。そんな中の80年代中盤でのGraham Fellows名義での作品がコレってわけです。まあね、唯一のLPだった"Love At Hacienda"も数年前までは鬼のようにレア盤だったもんです。そのLPも5万じゃきかなかったんじゃないですか? ただ、その値段を払ってでも聴く価値のあるアルバムでした。全体としてかわいらしいという形容がピッタリなアルバムで、"Sorry Samantha"などの曲もあり、当然この"Denise From Doncaster"も収録されています。ただ…LPのバージョンとこのコンピLPのバージョンが違うんですよね、このコンピLPのバージョンは男女のボーカルが聴けるんだけど、アルバムのほうはなぜか女声のパートが全て男声になっているんです。どっちもいいんですが、やっぱり僕はこっちのコンピLPバージョンの方が好きです。"Love At Hacienda"は数年前にCD化されて、今でもヤフオクなんかでレコード屋が定価よりも高く売りつけてたりしますが、このバージョンは収録されてなかったです。残念!
Moss Polesの"One Summer"はわかりやすすぎるサビの歌詞がお気に入りでした。若いっていいよねーと若かった当時の僕でさえ思ったくらいの歌詞。今まで語ってきたバンド達よりも僕のお気に入り度は若干落ちるんですけど、それでもイイ曲だと思います。確かシングルを2枚、LPを1枚リリースしてたと思います。それと彼らのサイトがあってそこで色んな未発表曲なんかもダウンロードできます。まだあるのかな?

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